舌痛症について(口腔粘膜疾患④)

舌 歯科と口腔外科の症例集

この記事では、舌痛症について分かりやすくにまとめてみました。

スポンサーリンク

舌痛症とは

舌には異常所見(器質的変化)がなく、何もしていない状態で、舌がピリピリと慢性的に痛む症状(部位は舌の先か舌の縁で、表在性で両側性が多い)があるものです。その他の症状には舌がしびれる感じやヒリヒリする灼熱感(口腔内灼熱症候群)があり、原因を特定が難しい疾患で、中高年の女性に多いです。

舌痛症の診断

アフタ性口内炎・舌炎・扁平苔癬・白板症・舌がん等の痛みを伴う口腔粘膜疾患(細胞診)、口腔カンジダ症(細菌検査)、口腔乾燥症、内服薬(抗うつ薬等)による副作用、金属アレルギー、口腔清掃状態、禁煙、義歯の異常、う蝕等の歯の異常等がないかを確認します。原因がはっきりした場合はその治療を行います。

次に、血液検査により亜鉛・ビタミン・鉄・葉酸等の数値を確認します。
また、心因性のストレス状態(体の疲労、睡眠不足、不安や心配事、うつ状態等)についても確認します。

舌痛症の治療

舌痛症は原因が特定できないことが多いため、原因の治療が難しいです。そのため、症状を緩和させる対症療法が中心になります。
まずは、アズノールうがい薬を1日に数回使用することにより、症状が緩和されるケースもあります。

舌痛症の治療では、痛みを全て無くすことは難しいですが、痛みの程度を少しでも低くコントロールすることで、生活に支障のないようにすることが重要になります。
また、仕事や食事等、何かに夢中になっている時は、舌の痛みを感じない方が多いです。そのため、舌に異常がないことを歯科口腔外科で確認した後は、できるだけ気にしないようにすることも重要です。

亜鉛欠乏(微量元素欠乏)による舌痛症

亜鉛や鉄の不足により舌のピリピリとした痛みを訴える患者さんが比較的多くいます。味覚が感じにくくなること、皮膚や粘膜等の傷の治りが遅くなることもあります。
通常の生活では、亜鉛・ビタミン・鉄・葉酸等の微量元素の欠乏が起こることはありませんが、偏った食事をしている場合は亜鉛等の欠乏になることがあります。

血液検査で亜鉛の数値が低い場合は薬(プロマック等)やサプリメントを服用しますが、その効果が表れるには通常1カ月以上かかります。
また、亜鉛が多く含まれる食品を摂取することも対策の一つで、牡蠣・牛肉・レバー等には亜鉛が多く含まれています。

亜鉛を多く含む食品

牡蠣、豚レバー、牛肩ロース、牛肩肉、牛もも肉、牛レバー、鶏レバー、牛バラ肉、ほたて貝、米飯(玄米、精白米)、うなぎ、木綿豆腐、たらこ、カシューナッツ、納豆、煮干し、アーモンド、卵黄、そば、プロセスチーズなど。

心因性による舌痛症

不安や心配事、うつなど精神的なことから舌の痛みが生じることもあります。
その場合、まずは歯科口腔外科に受診し、必要があれば精神科の診察も併用になることがあります。

最後になりますが、まずはバランスの良い食事をして十分な栄養と十分な睡眠をとり、ストレスの緩和と免疫力を向上することが第一に必要です。心当たりのある方は、これらのことにまず注意してみて下さい。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

【参考文献】
・最新口腔外科学第5版(榎本昭二他、医歯薬出版株式会社)
・第5版 SIMPLE TEXT 口腔外科の疾患と治療(栗田賢一他、永末書店)
・ノーベルファーマ株式会社HP:【亜鉛に関しての総合情報サイト】亜鉛を含む食品|亜鉛で元気|ノーベルファーマ株式会社 (aendegenki.jp)

コメント

タイトルとURLをコピーしました