本記事では、この度歯科エックス線画像を用いた「お口年齢AI」の開発と特許出願を行いましたので、その内容について解説させて頂きます。プレスリリース(PRTIMES 2025年10月28日)はこちら
お口年齢AIとは
「お口年齢AI」は、歯科パノラマエックス線画像から、現在歯数、インプラント数、アイヒナーの咬合分類、歯槽骨吸収量などの抽出したデータと、生年月日・性別の情報から、「お口年齢」を算出するシステムとなっています。
本システムはこれまでに開発した「歯科パノラマエックス線画像を用いた歯科健診システム」を進化させたものとなります。
この「お口年齢AI」システムは、エックス線画像の元データは必要なく、ディスプレイに映された画像をスマートフォンで撮影した写真で認識できるように開発しております。
今後、本システムは他社のヘルスケアプラットフォームや体年齢ソフトウェアなどにサービスインできるようBtoBtoCアプリとして提供いたします。

お口年齢AIの特徴
本システムでは、生活習慣病である歯周病に関連する歯槽骨吸収量も加味して判定しており、また抜歯後にブリッジやインプラント治療を行った場合などは、顕著に「お口年齢」が若年指標として算出されます。

お口年齢AIとオーラルフレイル
高齢者においては口から食事を摂取できない場合、オーラルフレイル、フレイルの虚弱状態に移行することが言われています。
この「お口年齢AI」システムでは、奥歯などでの咬み合わせ状態も確認できるため、お口のトラブルをスクリーニングすることができます。
早期発見・早期治療により、口から十分な栄養摂取が可能となれば健康寿命の延伸にも繋がり、自治体単位での運用も有用と考えられます。
お口年齢AIと歯科健診
企業・自治体における歯科健診導入率は依然低く、健康経営に注力している企業でも歯科健診の受診率は低い状況になっております。
本システムでは、約15秒で撮影できる歯科パノラマエックス線画像を用いることにより、簡便に歯科健診やお口年齢を把握できることから、口腔衛生の向上に期待できると考えられます。
特許出願内容
名称:お口年齢予測システム、お口年齢予測方法、およびお口年齢予測プログラム
出願番号:特願2025-180140
特許出願日:2025年10月27日
特許発明者:田島聖士
特許出願人:田島聖士、医療法人社団葵会
参考資料
担当者:
葵会グループ 統括本部 DX戦略部長
AOI国際病院 歯科口腔外科 部長
医療創生大学 歯科衛生専門学校 校長
田島聖士
【プレスリリース】
歯科エックス線画像を用いた「お口年齢AI」の開発について. (葵会グループ 医療法人社団 葵会 AOI国際病院)PRTIMES. 2025年10月28日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000073133.html
「お口年齢AI」システムには、2021年1月19日に特許査定を受けた技術を使用しております(特許番号:特許第6830082号、名称:歯科分析システムおよび歯科分析X線システム)。
【参考文献】
・田島聖士, 園田央亙ら: パノラマエックス線画像における根分岐部病変を自動検出するAIモデルの開発. 日本歯周病学会誌, 2021.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/63/3/63_119/_article/-char/ja
・Satoshi Tajima, Yoshiyuki Okamoto, et al. : Development of an automatic detection model using artificial intelligence for the detection of cyst-like radiolucent lesions of the jaws on panoramic radiographs with small training datasets. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology, 2022
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2212555822000345?dgcid=author




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