2026年9月20日(日)、東京国際フォーラムで開催された「第56回日本口腔インプラント学会学術大会」にて、発表させていただきました。
今回登壇したのは、公益社団法人 日本歯科先端技術研究所の施設セッション「インプラント難民ゼロを目指して」です。
私は、「インプラント難民ゼロを目指して ― インプラントコミュニティ3年間の実績 ―」という演題で、これまで取り組んできたインプラント判別の活動と、Facebookコミュニティ「ImplaDetect」3年間の実績についてお話ししました。
この記事では、当日の様子と発表内容、今後の課題についてご紹介します。

朝7時55分からの施設セッションに登壇
今回のセッションでは、竹島明道先生に座長を務めていただき、平塚智裕先生とともに登壇しました。
- 日時:2026年9月20日(日)7:55~8:45
- 会場:東京国際フォーラム B棟7階 ホールB7-2(第3会場)
- セッション:施設セッション14 日本歯科先端技術研究所
- テーマ:インプラント難民ゼロを目指して
- 座長:竹島明道先生
- 演者:田島聖士、平塚智裕先生
概要は、大会公式プログラムに掲載されています。


朝早い時間帯にもかかわらず、多くの皆さまにご参加いただきました。会場に足を運んでくださった皆さま、ありがとうございました!
「このインプラントは何だろう?」という臨床現場の課題
他院でインプラント治療を受けた患者様が来院されたとき、どのメーカーの、どの種類のインプラントなのか分からず、対応に苦慮することがあります。
例えば、被せ物が外れたり、スクリューが緩んだりしていても、使用されているインプラントが分からなければ、必要な部品やドライバーの確認が難しくなります。
まずは治療を行った歯科医院に確認することが基本ですが、閉院などの事情で情報を確認できない場合もあります。
こうした背景から、治療やメインテナンスの引き継ぎが難しくなってしまう、いわゆる「インプラント難民」の問題があります。
長く使われるインプラントだからこそ、転院した後も必要な対応を受けられるようにすることが大切だと考えています。
170種類のデータ収集と、AI開発での試行錯誤
私はこれまで、170種類のインプラントのデータ収集を進め、エックス線画像から種類を判別するための特徴や分類を整理してきました。

インプラントの先端やネックの形状、スレッド(ねじ山)の形や間隔など、判別の手がかりはさまざまです。また、同じインプラントでも、撮影する角度によってエックス線画像の見え方が変わります。
これらのインプラントデータをまとめ、判別のポイントをまとめた内容を、本サイトでの情報公開や、竹島明道先生との共著『インプラント判別ガイド』の出版にも取り組んできました。
3,200名以上が参加する「ImplaDetect」

2023年には、不明なインプラントの判別を支援するため、インプラントコミュニティ「ImplaDetect」を立ち上げました。
Facebook上の非公開グループで、参加は無料です。2026年9月20日の発表時点で、メンバーは3,241名となりました。
歯科医師、歯科技工士、インプラントメーカーの方々などが、スタディグループやメーカーの垣根を越えて参加してくださっています。
不明なインプラントの画像や関連情報を投稿すると、そのインプラントに詳しいメンバーが知識や経験を持ち寄り、判別のお手伝いをします。
普段使っているインプラントは詳しく分かっても、過去の製品や使用経験のない製品まで把握することは簡単ではありません。さまざまな経験を持つ方々が集まることで、判別の手がかりが見つかる可能性が広がります。
3年間で549件の相談投稿、メーカー特定率は約91%

今回の発表では、2023年6月2日から2026年5月31日までの3年間の投稿を分析し、その結果をご報告しました。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 相談投稿数 | 549件 |
| 投稿者数 | 436人 |
| 1か月あたりの平均投稿数 | 15.3件 |
| メーカーを特定できた投稿 | 497件(約91%) |
| そのうち、インプラントの種類まで特定できた投稿 | 348件 |
| 特定できなかった投稿 | 52件(約9%、うち回答なし25件) |
| 対象となったインプラントの種類 | 109種類 |
ここでの「約91%」は、コミュニティ内でメーカーの特定に至った投稿の割合です。判別結果の正しさを別途確認する「答え合わせ」は未評価であり、正答率を示す数値ではありません。
109種類ものインプラントが対象となっていたことからも、日々の診療で対応が求められる製品の幅広さが分かります。
この結果は、投稿を確認し、ご自身の経験や知識を寄せてくださるメンバーの皆さま、メーカーの皆さまの協力の積み重ねです。いつもご協力いただき、本当にありがとうございます。
ImplaDetectへのご参加をお待ちしています


ImplaDetectは、Facebookアカウントをお持ちの歯科医療従事者の皆さまに、無料でご参加いただけるコミュニティです。
不明なインプラントの判別に困っている方、ご自身の知識や経験を共有してくださる方は、ぜひインプラントコミュニティ「ImplaDetect」から参加申請をお願いいたします。
有志による判別支援のため、すべてのインプラントの特定をお約束するものではありませんが、皆さまと協力しながら、臨床で困ったときに相談できる場を育てていきたいと考えています。
今回、座長を務めてくださった竹島明道先生、ご一緒に登壇した平塚智裕先生、日本歯科先端技術研究所の皆さま、そして早朝からご参加いただいた皆さまに、改めて感謝申し上げます。
これからも、「インプラント難民ゼロ」を目指して活動を続けていきます。今後ともよろしくお願いいたします!





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